ヨーロッパのスマートフォン事情

日本にいるとなかなか情報の入ってこないヨーロッパですが、あちらでも日本同様、携帯電話の中心がスマートフォンへとシフトしているようです。

インターネット視聴率調査会社のComScoreが作成した、ヨーロッパのスマートフォン市場に関するレポートによると、EU主要5カ国(英国、フランス、イタリア、ドイツ、スペイン)のスマートフォンユーザー数は6,000万を超え、2009年から2010年の1年間で41%も成長したそうです。

他にも、興味深いデータが色々と公開されています。

OS別シェアの推移

EU主要5カ国のスマートフォンOSシェア比較

日本では殆ど存在感の無いNokiaのSymbianですが、お膝元であるヨーロッパでの人気は絶大なようです。2009年時点でのシェアは69%と、全スマートフォンのうち3台に2台がSymbianという状況でした。

しかし、全世界で猛烈な追い上げをかけているAppleのiOSとGoogleのAndroidの躍進により、さすがの人気ブランドも1年で14%以上もポイントを落としています。

同時期に新規で増えた分だけを比較すると、その傾向はよりはっきり見て取れます。

新規分のOS別シェア比較

2009年7月から2010年7月の新規分のうち、実に41.6%がAppleのiPhoneだったという結果が出ています。さらに、その差は0.1%とごく僅かではありますが、新規分においてはAndroid端末も、Symbian端末をすでに上回っています。

iPhone vs. Androidという2強構成は世界中で広まっており、今年の年末にはさらにその傾向が強まっていくと予想されます。Nokiaが早々にスマートフォンでのSymbian展開を諦めMicrosoftと手を組んだのも、このような背景があるからです。

国ごとの比較

このOS別のシェアですが、国ごとの状況を比較すると、また面白い実態が見えてきます。

OS別シェアの国ごとでの比較

同じEU主要5カ国の中でも、スマートフォンOSのシェアには大きな差が出ています。

一見すると、スペインやイタリアにSymbian好きが多いのかと思われそうですが、ネット上での評判を見る限りではそういった傾向はあまり見られず、むしろiPhoneの方が好意的に受け止められています。

このような違いが出ている原因は、「可処分所得の違い」が大きいと思われます。

上段のフランス、英国、ドイツの一人当たりGNI(国民総所得)が4万ユーロ強あるのに対し、下段のスペイン、イタリアの一人当たりGNIは3万〜3万5千ユーロしかありません。両者には、日本円で100万円近い年収の開きがあるわけです。そして、やはりどの国においても、iPhoneの方が若干高め(もしくは長期契約必須)で売られています。

ここから言えることは、ヨーロッパにおけるスマートフォンのOSシェアに関しては、以下のような状況があるということです:

  • 一番「欲しがられている」のはApple
  • Androidも人気が出て来ている
  • Symbianは「安さ」と「知名度」で選ばれている

Symbianの強みである安さは、Android端末も負けていません。つまり、現時点では知名度で勝っているだけで、それは長続きしないということです。

さらに、今後のNokia端末にはWindows Mobileが採用されることがすでに決定しており、Symbianのシェアがこれからも減り続けることは確実なのです。

この業界のスピード感を考えると、今後1年以内にGoogleのシェアが1位になり、Appleがそれに次ぐ形になるでしょう。

Microsoftに関しては…Nokia端末に人気のあるヨーロッパですら、シェアを伸ばすのは難しいのではないでしょうか。

結果的に、ヨーロッパにおいても、北米や日本と同じく、スマートフォンと言えばAndroidかiPhoneという状況になるというのが私の予想です。